Kazuma Okamoto岡本一馬

劇場のテーマパークなんだ!

今の時代ってさ、別に、スマホで全部完結するじゃん。

自分にとって、この言葉、このマインドは、フリーザよりも強敵です。魔人ブウを相手に戦っているような気持ちです。

今、IT技術やブロックチェーン、次から次へと目まぐるしく進化していく現代の中で、ほとんど全てが片手一つに収まる時代。クリック一つで料理は届くし、タクシーも呼べちゃう。見逃し配信なんかお手のもの。朝から晩までNetflixで楽しめちゃう、そんな時代です。

そんな中、わざわざ電車に揺られて劇場に足を運び、2時間半スマホも見ずに観劇する。

いや、そんなん誰が好んで見るっちゅうねん!!

でも、もしかしたら、まだまだ大勢の日本人が、そう思ってしまっているかもしれません。

うぅ・・・確かに・・・。くっそーーーーー!

でも、ミュージカルを見た事もなければ、行った事もない人からしたら、別に無くても、今日まで楽しく生きてきたんだから、必要ないじゃん。って、そう思ってしまうのも無理はありません。だって、知らないんだもん。仕方がありません。

でもさ、でもさ!

ミュージカルってすげえんだぜ!?

と、声高らかに叫びます!エルファバにも負けないような、重力に逆らって!

ただ、これまでミュージカルや劇場にあまり触れていない方が、冒頭のような気持ちになってしまうのは、もしかしたら、ミュージカルを作っている、私たち作り手側に責任があるかもしれません。こんなにも素敵で、魅力的な存在をきちんとお伝えできていないのだから・・・。

知ってさえくれれば・・・。見てくれさえもらえれば・・・。

もう、ズバッと心にブッ刺さり、間違いなくそれまでの価値観を180度転換できる確信があります。だって、そうやって走ってきたから。そう信じて、オリジナルのミュージカルを作り続けてきたから。

あの曲をもう一回聞きたいとか。あのシーンをもう一回見たいとか。自分の娘が毎日あの歌を歌ってますとか。あのナンバーが頭から離れませんとか。そんなふうに言っていただけるのが、もう嬉しくて嬉しくて。

誰かの人生に入り込んでいける、明日からの世界の見え方がほんの少し綺麗になる。豊かになる。そんな力を秘めているのが、ミュージカルだと思っています。

26歳、ミュージカル初体験!?

かくいう私も、しっかりミュージカルに出会ったのは、26歳。

高校までは、サッカー一筋。大学になってから、色々経験をさせてもらったものの、ダンス?歌?そんなのは、小学校の運動会で花笠音頭を踊り、高校の時にBUMP OF CHICKENのsailing dayを家の中で熱唱しすぎて「お兄ちゃんの歌、嫌い。ノイローゼなる。」⁠って妹に言われて以来、本気で習得しようと継続した期間はありません。ましてや、歌でストーリーが進行していくってどういうことなん(笑)⁠くらいに思っていたかもしれません。

でもさ。でもね、ちょっと待ってよ。

初めて劇場でミュージカルを見て、なんじゃこの素敵空間は!⁠って思ってから、ミュージカルを勉強しまくったらさ、気づいたんだ。

ディズニーって、めちゃくちゃミュージカルやん!!!!!⁠って。

小さい時は、いや、もはや26歳までは、ディズニーアニメは”ディズニー”⁠というジャンルだと思って見ていました。ビデオが擦り切れるほど見ていたにも関わらず。セリフも歌も、ほとんど覚えているほど見ていたにも関わらず。ミュージカルを見ているなんて意識はこれっぽっちもありませんでした。

でも、ライオンキングだって、オリバーだって、高校で見てどハマりしたハイスクールミュージカルだって、魔法にかけられてだって、自分が好きな作品って、全部ミュージカルじゃん!⁠ってなったんですよね。

そんな、26歳になった一人の男が、ミュージカルの世界への入り口を開けてからというもの、友達が出ているミュージカルに何度も足を運び(どういうわけか、奇跡的にミュージカルで活躍している友達が何人かいました。)、20本以上持っていたDisneyのVHSも何度も見返しました。

そしたら、ある時、気づくんです。

「ミュージカルって、作品っていうより、世界じゃん!⁠って。」

そう、ミュージカルって、実は見てるんじゃなくて、その世界を一緒に共有してるんじゃないか?⁠って。そして、その瞬間が、ミュージカルの最も楽しい瞬間なんじゃないかって!

塔の上でドラゴンと戦い、魔法の絨毯で一緒に空を飛び、プライドロックの上に登る。エルファバと箒に乗り、重力に逆らって・・・。

そんな世界にワクワクして、ドキドキした日には、自分もその世界の中にいる気がして、もう、なんだか、わんさか力が湧いてくるってもんです。

劇場のテーマパークを目指して

そうして日々を過ごしていた結果・・・。気づけば、七作のオリジナル作品を制作していました。

回を重ねるごとに、家族連れでお越しになる方が増え、カップルがお越しになり、友人グループでお越しになり、何度もリピートしてくださる方が増え、「劇場のディズニーランドみたい!」⁠という感想も頂くようにもなりました。

自分の目指す世界は間違ってない。きっと、一歩ずつ近づいて行っているんだ。

私の作品は、現実の世界には、なかなか存在しないだろう非日常空間を舞台にしながらも、誰もが持っている”信念”⁠や”愛”、時に”裏切り”⁠や”友情”、”運命”⁠といった、一度は感じたことがあるだろうメッセージを込めています。

見る人によって、感情移入するキャラクターが変わり、見る時期によって、受け取るメッセージが変わっていくような、そんな「日常の中にある非日常」⁠をテーマに。

皆さんの中にある、このニッポンを感じ、ニッポンで生きている自分の人生に色を添える瞬間になったら良いなと願うばかりです。

最高の空間と時間を作る。

コロナの緊急事態宣言真っ只中で動き出した1作目から以降、毎公演、多くのキャストが私たちが作ろうとしている世界を体現してくださり、その世界にお客様が遊びにきてくださり、単純明快かつ伏線が回収されていく爽快感があるような作品作りを目指して、走り続けています。

なんだ、この楽しさは!なんだ、この興奮は!!なんなんだ、この空間は!!!⁠となっていただけるように。

一つの作品を通して、より多くの方々と一緒に、あの空間を作り上げたい。共有したい。

出演いただくからには、そのキャスト、これまで史上、最高に輝いていただきます!最高に素敵な魅力を、これでもかってくらい一緒に試行錯誤しながら引き出して、全てをお届けできるよう、人生賭けてまいります!

皆様を、万全の状態で、劇場でお待ちしています!!

初出:ACTMENT PARK コラム(2025.04.04)/個人サイト向けに加筆・修正しています。